幸せをどうぞ

私の飼っている愛犬「ラッキー」は、その名の通り幸せを見つけるのが得意な女の子です。
とても活発で人懐っこい彼女は、犬が苦手な人からも気に入られるほど愛想が良くて甘え上手です。

そんな彼女の趣味はとにかく食べること。

彼女が避妊手術を受けた日、獣医さんからは「しばらくは疲れてご飯を食べないでしょう」と言われましたが、ラッキーは疲れなどお構いなしにドッグフードをぺろりと平らげました。
術後しばらくは体力が落ちて活動的でなくなる子が多いようですが、ラッキーの場合はその食欲のおかげで体力の回復も早く、すぐに元気に走り回る姿を見せてくれました。
ラッキーは幸運な女の子です。

そんな彼女ですが、少し小悪魔な一面もあります。
人一倍……いえ、犬一倍食いしん坊な彼女ですが、なんと飼い主である私にキスをするまではドッグフードを出されてもじっとこちらを見つめて待っているのです。
「ねえ……早くキスしてくれないとあたしお腹が空いて我慢できないわ?」とばかりに、首をかしげながらこちらを見つめてきます。

忙しかったある朝、ラッキーにキスをするのを忘れたままドッグフードを与えてしまったのですが、彼女は一時間経っても食べずに待ち続けていました。食欲を我慢してまでキスを優先する彼女は本当に犬なのでしょうか……。

甘えん坊で誘惑上手で私にべったりな彼女ですが、ある日私がラッキーに近づくと彼女はものすごいスピードで逃げてしまったのです。様子がおかしいと思ってラッキーを追いかけました。
「ラッキー、おいで」と声をかけても彼女は待たずに、そのまま階段を昇って二階へと走っていきます。

やっとの思いで追いついたとき、ラッキーは二階の部屋のタンスと机の隙間にはさまっています。よく見るとラッキーの居る隙間には、私が少し前に無くしてしまって諦めかけていた身分証明書がありました。
ラッキーは、「ほら、見つけてあげたわよ?」とばかりにクルッと振り向いていつものように甘えてきました。

やはりラッキーは幸せを見つけるのが得意な女の子でした。

いつまでも元気で愛想よく少し小悪魔チックで、そして幸せなラッキーでいてほしいです。

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