雑種犬「まる」との思い出

小学生だった私が体験した修羅場

私の田舎で飼っていた雑種犬とのお話です。
当時私は小学生、犬の名前は「まる」という女の子の成犬でした。

夏休みや冬休みになると田舎へ行き、まるの散歩や餌やりをさせてもらっていました。
今とは違い、人間の残飯を与えるのが当たり前で犬は外で飼っていた時代です。
まるは散歩に幾たびによその犬と喧嘩をはじめ、小学生の私の力では止めきれず、大人の人が気がついて止めてくれる頃には双方の犬が負傷しているなんていうこともありました。

そんなわんぱくものの まると散歩していたある日、何かに惹かれたまるが突然全力で走り出したのです。
私は元々足も速くなくリードを引く力も弱く、ついにはリードから手を離してしまい、まるはどんどん小さくなって行きました。

とんでもないことになってしまったと思いました。

今までの喧嘩なら、相手の飼い主さんとお互いに謝ったり、他の犬に出会わぬよう気を付けてあるいたりと子どもなりにも対処できましたが、完全に行方不明になってしまってはどうしようもありません。

それからどうやって帰ったかは覚えていませんが、私は号泣しながら田舎の親族に「まるが走って行ってしまった。どうしよう。ごめんなさい。」と繰り返していたのを覚えています。

そこでまた私の記憶は途切れます。
次の記憶は、親族たちと家の前の道路に立っているところです。
全員で道の一方向、それも散歩に出たのとは逆の方向を見つめていると、なんとまるが走って帰って来たのです。

あれが私の人生で一番ホッとした瞬間でした。

それからもう随分と年月が流れまるもお星様になりましたが、今でも時々思い出します。

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